SuperJunior リョウク溺愛倶楽部
SuperJunior リョウクを追いかけ溺愛する日々を記録するブログ。
Phonograph ~side RyeoWook ~
今日はクリスマスイブ⛄🎄✨

なんの予定もないけど、なんもしなかったら寂しいから!!ってことで前に書いたギュウク物語を載せようと思います。
まったくクリスマスには関係ないですが(笑)

KRYコンサートのVCRのりょくちゃんがあまりにも救いがなさすぎて、
もしもあのVCRの続きがこうだったら…
そんな想いで書いてみたものです。
フワッと楽しんでもらえたらうれしいです。

みなさんメリークリスマス♥


Phonograph ~side RyeoWook ~

僕は今にも泣き出しそうな灰色の空をじっと眺めていた。
たぶん、下を向いたら涙がこぼれそうだから。泣いたら僕の負けだから、きれいでもない空をずっと見つめていた。

ほどなくして、パラパラと雨が降ってきた。傘をさそうかと思ったんだけど、体を濡らす雨すら僕のことを慰めてくれてる気がしてそのままでいたんだ。
静かに静かにただ、体に感じる冷たさだけ。
雨は強くなって地面を叩いたけど、僕にはその音は聞こえなかった。

家に帰ろう。

一人じゃ聞く勇気もないレコードを握った僕は家の方角にくるっと体を向けた。

レコード…家じゃ聞けないな。
そう思いながら僕は狭い歩幅で歩いていた。もう下を向いても大丈夫。雨が全部隠してくれる。

少し緊張しながら歩いてると、目の前に古びたレコードショップが現れた。そして、そのショーウィンドーには蓄音機が飾られていた。

あれ?こんなとこにこんな店あったっけ。僕は少し濁ったように光る蓄音機に惹かれて店に入った。

最近中古で持ち込まれたばかりというその蓄音機はけして綺麗な状態ではなかったんだけど、僕の目を惹き付けて離してくれなかったんだ。

「これ…ください」
外の雨はもうやんでいた。
休みの日に家まで配達しようか?と言われたけど、どうしても自分の腕で抱えて帰りたかった僕は丁寧に断ると店を出た。

歩きながらショーウィンドーに映る自分の姿を見て思わず笑ってしまった。
小柄な僕が蓄音機を抱える姿は、子供がお気に入りの大きいおもちゃを全身で抱えて歩いているような、そんなふうに見えたから。

大通りに出て、信号待ちをしてると、歩いて来た道の方から背の高い男が走ってきた。

「あの!」
え、僕?誰だこいつ。
「その蓄音機!!俺のだから!」
は??いやいや、僕がさっき買ったんだもんっっ。

びっくりして黙ってると、ズイっとそのデカイ男が近付いてきた。

「あの店に売ったんだけど、気が変わったから返してほしいんだ。お金は払うから」
「や、や、やだよ!僕がもう買ったんだからっ」
あまりの勢いに蓄音機を抱える腕にぐっと力が入る。

背が高くて、まっすぐな目をした、僕と同じぐらいの年の男は僕がキッッと言い返すと、ショボンとしてしまった。

そんなに大事なものだったのかな。

「あ、あの。これはもう僕のものなんだけど…あの、一緒に聞いてほしいレコードがあるんだけど…」

僕は一人で聞く勇気がなかったレコードをなぜかたった今出会った知りもしない男と一緒に聞きたいと思ってしまったのだ。

「え!いいのか!?」
男は急に目をキラキラさせるとひょいっと蓄音機を持ち上げた。
「持ってやるよ、おまえの体の半分ぐらいあるし」
そう言うとニヤリと笑う。

むーーーーー!人が折角優しくしてあげたのになんだよこいつ!!

僕が怒ってほっぺたを膨らませると、男は声をあげて笑った。

「ははは!ごめんごめん!俺はキュヒョン、おまえは?」
「僕はリョウク」
「ふーん。よろしくな、リョウガ!」

むーーー!いちいち馴れ馴れしいんだよー!
でも初めて会ったのに、なんだか心地よくて、すべて許してしまっていた。

家に入って濡れてしまった服を替えてくると、キュヒョンはすっかり蓄音機の前にどっかり座り僕を待っていた。

「リョウガ、一緒に聞いてほしいっていうレコードってこれか?」
雨に濡れて少し湿った紙のケースからレコードを出して針を落とす。

あ。
僕が心の準備をする前に、ピアノの音が流れ出す。
そして、何度も何度も聞いた硝子玉を転がしたかのような繊細な女性の声が聞こえてくる。
でもその音は自分の頭の中で流れてる音じゃなくて、歪んで聞こえた。

あぁ、まだ聞こえる。
歪んで聞こえる音よりも、彼女の声が聞こえた安心感で無意識に涙がボロボロと頬をつたった。

キュヒョンはそんな僕に気付くと、一瞬びっくりした顔をしたんだけど、何も言わずに僕を抱きしめた。

「僕が作った曲なんだ……………」
声を絞り出してそれだけ言うとまた涙が止まらなくなってしまった。

キュヒョンは僕の涙が止まるまでただそばにいてくれた。
僕が「ごめん…」と言うと、「いい曲だな」とそれだけ言ってふっと笑った。
そして、たった一回聞いただけの歌を鼻歌みたいにフンフン歌い出した。

「一回聞いただけなのに…」僕が目を丸くすると、まぁね、とニヤリと笑った。
彼女のためだけに作った歌だったのに、キュヒョンの声にもピッタリあっているように感じた。
でも僕には「ピッタリだよ!!」って言えなかった。キュヒョンの歌声も僕の耳にはやはり歪んで聞こえたから。

日常に話す声は問題なかった、でも音になると耳なりが邪魔して歪んで聞こえるようになった。
ひどい耳なりで病院に行った僕に医者が伝えた言葉は残酷なものだった。

「いずれ聴力は完全になくなるでしょう」

作曲家としての未来は?僕は目の前が真っ暗になった。
音が歪んで聞こえることで頭痛もひどくなった。
そして、僕の曲を一番綺麗に響かせてくれていた彼女は僕の元から去った。

どうして。どうして僕が。
考えても仕方ないことが頭をぐるぐる回る。
何もかもを僕は失ったんだ。

ほんとは彼女に送った曲を聞く勇気なんかなかったけど、わざわざお店でレコードを買ってしまった。
僕から彼女への最初で最後のプレゼントだったから。

初対面のキュヒョンに抱えきれない痛みを押し付けるみたいに話してしまった。
彼の柔らかい雰囲気がそれを許してくれる気がして。
キュヒョンは僕から流れる血をそっと押さえるかのように頷きながら話を聞いてくれた。

キュヒョンは最後まで僕の話を聞くと言った。
「リョウガ、もう一度別の病院に行こう。それから…」
キュヒョンはまるで医者みたいな口ぶりで色々な治療法を話してくれた。

「諦めるのはまだ早い」そう言うとまたニヤリと笑った。

僕は彼女が去ってからずっと凍ったままだった心がじんわり溶けていくのを感じていた。

それから毎日のようにキュヒョンは僕の家を訪ねてきた。
キュヒョンは僕が知らないことをたくさん知ってた。
寝るのも忘れるぐらいに話して、毎日僕が弾くピアノでキュヒョンは歌った。

それが楽しくて楽しくて、歪んでいないキュヒョンの声を想像しながら毎日曲を作った。
録音した曲が50曲になった時、耳なりがなくなっていることに気付いた。

「リョウガ、耳なりなくなった?」
!!!なんでわかったの?まだ秘密にしてたのに!

「ふふ、音の使い方が変わった。」
ニヤリとすると僕を抱きしめた。

「俺の声がちゃんと聞こえるようになるまであと少しだ」
「うん…」



~1年後、僕はまたあの時のレコード屋にいた。でもあの日の僕とは違った。
お店を出ると雨がしとしと降っていたから赤い傘をさした。
もう僕は灰色の空を見上げて泣いたりしない。

「リョウガ!!」
キュヒョンが後ろから傘をささずに走って来た。
1つの傘に二人で入ると家まで歩く。
キュヒョンの歩幅は僕よりもすごく広くてピョコピョコ小走りになってしまう。

いつもと同じようにキュヒョンがレコードに針を落とすと、優しいピアノの音にキュヒョンの甘い声が重なった。

『A Million Pieces』
毎日毎日作り続けた小さな曲のカケラ達が僕らを強く繋いでくれた。
それが僕の支えだったんだ。

キュヒョンの甘くて優しい歌声が部屋に広がると、僕らは顔を見合わせてフフっと笑った。


おわり


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コメント
コメント
素敵!すてき!すごくすてきです〜!!!
そんなすてきな友情物語が隠されていたなんてw
キュヒョンと名乗ってくれるまで、はらはらドキドキしながら読み進めました!やはり、文才も素晴らしいですね〜!!!もー泣きそうーT_T
2015/12/24(木) 12:38:18 | URL | しずく #- [ 編集 ]
しずくさん~ありがとうございます♡
確かに、名乗るまで結構ありましたねwww
ぎゅのリョウクちゃんに対する遠慮のない距離感とそれなのにきちっと客観視できる所を書きたかったんです。
二人の関係って本当にいいですよね、うらやましい!!
あの二人にはこれからもずっとこのままでいてほしいなーって思います^^
2015/12/24(木) 13:02:45 | URL | mai #- [ 編集 ]
素敵でした♪
ところで、昨日のシュキラ二部でリョウクが「僕の初キッスは20の時です」とさらりと言っていて、息子の初キッスを聞いてしまった脱力感的なものに襲われたワテクシでした。
あまりにもリアルな年齢やめてと、とりあえず誰かにご報告したくて(笑)失礼いたしました。
2015/12/24(木) 14:38:04 | URL | kukkunpappa #- [ 編集 ]
Re:
kukunpappaさんこんにちは!

二十歳!遅い!(笑)
ということは手を繋ぐのに一ヶ月かかった高校生だかの時の彼女とはチューできなかったんですね!(笑)
二十歳ってことはもうスジュもデビューしてるし、例の今まででメンバーが一人しかみたことない!って彼女かしら…

りょうくちゃんの場合はエピソードが少なすぎてすぐわかっちゃいますね(笑)
息子の初キッスは実体験してないのでわからないですが…なんとなく脱力感はわかります。
まぁ、先週しました!って言われるとえーってなるけど…9年前ですからね!
逆にちょっと心配にもなってしまいます😁
2015/12/24(木) 20:27:55 | URL | mai #K0v2UoR6 [ 編集 ]
ふふふ。ツイート拝見しました。
私の韓国語の聞き取りが怪しいのでなんとも言えませんが、スムルサルって言ってたような気がしたのですが(^-^;
そうですね、先週じゃなくてよかったです!?
(笑)
2015/12/24(木) 20:55:51 | URL | kukkunpappa #- [ 編集 ]
こんばんは!たまたま拝見したのですが、すごーく感動したので、一言メッセージ送らせてください〜(T ^ T)読んでたら知らぬ間に涙がぽろぽろこぼれてました…あのVCRリョウクさんの運命が本当に悲しすぎて。でもこんなハッピーエンドだったらすごく素敵ですね(;_;)ぎゅと支えあってて、言葉がなくても理解し合える関係が最近のぎゅうくと重なりすぎて泣けて仕方なかったですーーー
本当にすてきな物語をありがとうございました(^^)(^^)
2015/12/25(金) 02:50:38 | URL | ぺなこ #- [ 編集 ]
ぺなこさんはじめまして!
コメントありがとうございます、すごくうれしいです😭😭😭

私もあのVCRを初めて見たとき絶望的な気持ちになりました。何一つとして救いがない……
ぎゅも兄さんもそうですが、未来に光がない彼らのエピソードの先にあるものがなんなんだろう。
と気になってしまいました。
そして、こういうことなんだろう、と自然に頭の中に降りてきたのがこれでした(笑)

きっとあの二人はこれからもお互いにないものをうまーく補完しながらささえあっていくんでしょうね。
りょくちゃんにぎゅがいてくれてよかった。
2015/12/26(土) 01:13:23 | URL | mai #- [ 編集 ]
管理人のみ閲覧できます
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2016/01/01(金) 06:59:44 | | # [ 編集 ]
鍵コメhさんあけましておめでとうございます♥
コメ気付いてなくてお返事遅くなってごめんなさい🙇

とにかく楽しく、泣くよりも笑ってた方が幸せですもんね。
泣くのはその時、その瞬間だけ!と私も決めています。
(今は、ですけど(笑))

そうですね、ペンミ行きたいですね~
どれだけ徳をつんだらいいか逆に悩んできました(笑)
神様が最後の思い出作りに協力してくれればいいなーと思います。一緒にいのりましょ😗

今年も宜しくお願いします!
2016/01/06(水) 22:39:51 | URL | mai #- [ 編集 ]
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